ミレニアム婚


人間この未知なるもの
"MAN THE UNKNOWN"
(ノーベル生理学賞と医学賞受賞者アレキシス・カレル殿の文献より。)
三笠書房出版 渡辺昇一翻訳の本からの抜粋であられます。

  至高の道徳は意志と知性によってもたらせる。
道徳的活動とは、自分に行動の規則を課したり、
いくつかの、とるべき道の中からよいと思うものを選んだり、
自分の我慢する能力や自分の意志を押さえつける人間の能力の事である。
それは人間に、責任や義務という観念を起こさせる。
この独特な感覚は、少数の人の間でしか見られない。
その多くの場合、表面には現れていないが、存在すると言う事実は否定できない。
  道徳観念はいつの時代にもあった。人間の歴史の中で、
それは根本的なこととして証明されている。それは我々に善悪を区別させ、
悪より善を選択させる。高度に文明の進んだ人々においては、
意志と知性は一つであり、同じ機能である。
道徳的価値の高いものは全て、意志と知性によってもたらされる。
各人はある程度、生まれつき善人であったり、
普通であったり、悪人であったりする。
しかし、知能と同様、道徳観念も教育や訓練や意志の力で発達されられるのである。
精神と器官のバランスをとるためには、自分に内なる規則を課すべきである。
国家は権力によって国民に法律を押し付ける。しかし道徳はそうはいかない。
人間は誰でも善を選び、悪を退ける必要があることを自覚し、
自分の意志で努力してそれにこたえるべきである。
知性と意志の力と道徳性は密接な関係にある。
しかし、道徳観念は知性以上に重要である。
現代文明のもとでは、道徳的理想に基づいて行動する人に出会う事はきわめて稀である。
しかし、そういう人はまだいる。
会えばそういう面に気がつかずにはいられない。
道徳的な美しさというものはきわめて稀で、しかもきわめて印象的な現象である。
一度でもそれについて深く思いをめぐらした者は、決してその面を忘れることはない。
その美の姿は、自然の美や、美に較べて、はるかに強い印象を与える。
道徳観念の与える神々しい賜物を持っている人は、
一種の不思議な、説明できない力を持つ。それは知性の持つ力を増大する。
それは人々の間に平和をもたらす。道徳的な美しさこそが、
科学や美術や宗教的儀式などより、はるかに文明の基礎となるものなのである。

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